【大問別講評】
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第1問(長文読解)
話の内容そのものは、コンピューター時代のまさに今、巷(ちまた)で危惧されている
「若者の読書離れ」という時宜を得たものであり、そう難しいテーマではない。普段か
らこのような問題に関心を持って、様々な意見や情報に触れている者にとっては理
解しやすい話であろう。
しかしながら、今年も例年と同様、受験生が単語帳で覚えてきた英単語とはおよ
そ遠くかけ離れた難しい語句が数多く文中に現れ、そのことごとくが「注釈」として欄外
に示されているので、受験生はしばしば目線を本文から外さなければならず、それが
著しく集中力の妨げになったと思われる。
また、全体の語数が大幅に増えて視覚的
にも長文化は明らかであったので、時間的に焦りを感じてより正確な解答が書けなか
った受験生も相当数いたであろう。特に、現役生の受験生にとっては難易度の高い
問題であると言える。
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第2問(長文読解)
これも第1問と同様に「現代の日本の若者たちの農業への回帰」という、まさしくい
ま日本で顕著な現象を題材としたもので、ニュースや新聞記事等でよく見かけるテー
マである。食料自給率が低く、農業労働人口の著しい高齢化が進む日本で、これか
らの農業はいかにあるべきかを考える若い世代についての話であり、相変わらず注釈
つきの難単語は多い。しかし第1問に比べるとかなり読みやすく解答もそれほど苦労
はしないであろう。単に英語力というだけでなく、ふだんから世の中の出来事、社会情
勢に目を向ける習慣を持つ者が有利な問題であると言える。
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第3問(自由英作文)
今ではどこにでもある「コンビニ」について自分なりに考える長所または短所を英語
で述べる問題。難しい理論ではなく、ふだんから自分が感じる思いをそのまま素直に
書けばよいという点では気が楽であろう。
ただ、その思いをそのまま自然な英文でのびのび表現できるかどうかは話がまた別
で、大半の生徒は解答に相当苦労したはずである。このような英作文は、あらかじ
め様々なテーマに対する模範解答例を丸暗記に近い形で身につけておき、その中か
ら、本番での解答に一番イメージに近いものを部分的に修正しながら書いていけるか、
が高得点獲得に最も近い道だと思われる。
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