例年通り、現代文二題(評論と小説)と古文の三題構成であった。
第1問の現代文はルソーの『社会契約論』を論じたもので、読みやすく論旨の把握も容易である。最近の易化の傾向に沿った問題文といえる。設問も同様で、6問中4問が抜き出し問題になっている。問2は具体例をあげるもので、解答にかなりの幅が出そう。問6の内容合致は○×式なので、選択肢の各語句の適否を慎重に見極める必要がある。この設問にはある程度時間をかけたい。
第2問の現代文は金井美恵子の小説からの出題。全編、息の長い文がだらだらと、とりとめもなく続く。こういう文章は生理的に受け付けられないという人もいるだろう。でも過去にも一風変わった小説が出ているので、この大学の傾向と思うしかない。設問は書き取り・読み・内容説明・空欄補充などで構成される。長い論述を求めるものではないので、第1問同様、そこそこ得点できるだろう。
第3問の古文は中古の説話集からの出題。説話ということもあって、読みやすく文意もとりやすい。教科書レベルの文章なので、古文の苦手な人でも抵抗はないだろう。設問は説明問題が中心。現代語訳は1問と少ない。これもこの大学の傾向の一つ。問3・問5の文法と問7の文学史は確実に得点したい。問6の現代語訳は漢文訓読体なので、漢文の知識も必要。古文は漢文とリンクする場合が少なくないので、漢文がないからといって漢文の勉強を全くしないのは危険である。基本的な語句と主な句形だけはきちんと頭に入れておきたい。
センター試験を度外視すれば、7割くらいの得点が合格ラインではないか。
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